レモネード

明日からいよいよSTORYツアーが始まる。

大阪城ホールのチケットが取れたのは何年ぶりだろう。最近は毎年外れていたので、大阪公演の時は下の子と大阪城公園に雰囲気を確認に行き、グッズを買って帰るのが恒例だった。グッズ列に並んでいる時、後ろの二人が自分の推しでないメンバーの悪口をヒソヒソ言っていて不快だったことがあったけど、今思うと些細な出来事だ。

NEWSへの応援に、1人への憎悪が一体化してしまっている光景が受け入れられなくて、私は去年NEWSファンの観察をやめた。人と好きなものを共有した経験があまりなかった私が、手越担の二人の娘と一緒にコンサートで多幸感を共有したあの時間は、人生における大切な彩りだった。そんなかつて味わったことのないキラキラした時間をくれた人である手越くんに、私と同じようにNEWSを好きな人たちが冷たい感情を隠さないこと、そしてあの4人の時代を否定されることがいまだに耐えがたい。4人での新しいパフォーマンスが見られないのは仕方ないとしても、もう公にその時代の素晴らしさを肯定されることがないことにふと気づくたび胸が締め付けられる。

3人に対して「人数が減った」といういじりをされるのが好きでないのは、手越くんをタブー扱いして面白がる空気が苦手だからだ。そして、あいつの話題を出すな、と反応するファンも見たくないからだ。私はどうしたら3人のNEWSとそのファンの絆を純粋なものとして受け止められるようになるんだろうと思うのだけれど、とりあえず今はファンを見ないという方法で自衛をするしかない。
会場や最寄りの駅で、極力ファンを見ないでいれる方法を、今から考えてしまっている。

自分でも解決できていない心情があって、STORYがそれを解決してくれるのではないかとも期待しているけど、彼ら3人はその場にいる人たち全員の心を受け止めようとするのかもしれない。憎しみを抱えている人の心を彼らはどう解放するのだろう。


下の子が以前、「偉人のことば」という本を読みながら「これ、好きやねん」と言って教えてくれたカーネギーの言葉がある。それは、
「運命がレモンをくれたら、それでレモネードをつくる努力をしよう」
というものだった。

酸っぱいレモンを甘いレモネードにする。運命が困難を与えたら、諦めたりするのではなくて、その状況で最高のものを作る努力をしよう、という言葉だ。
3人のSTORYはまさにそれなんだろうと思う。きっと彼らは最高の時間をつくり上げるために力を尽くしてくれている。

STORYという甘いレモネードが、誰かの憎しみを少しでも解放してくれますように。