クリームソーダ

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 燕三条から奈良まで、長い長い新幹線の旅だ。「ドラえもん」を数冊買い、長時間移動中読ませる。数冊持っていると、最後の一冊を読み終わってからもう一度最初の本を読み始めて、それなりに時間がつぶせるようだ。あとは携帯のゲームをさせたり、メールを打たせたり。それに飽きたらiPodを貸し、多分それにも飽きるので、またドラえもん。私も自分の本を読み飽きたら、ドラえもんを借りて読む。
 そうこうしてようやく京都に着いた。2月一杯で閉店するプラッツへ寄ろうと思ったが、そこまで歩く気力が無く、結局近鉄近くの喫茶店で休憩した。小学生は今ごろ、終わっていない宿題を始める。横の席に、おばあさんと孫らしき少年が座った。二人はほとんど会話をせず、おばあさんがクリームソーダ2つ、と言った。間が持たないのか、おばあさんは私の前で宿題をしている小学生にいろいろ話しかけて来るのだけれど、私の家族は全然愛想が無い。もっと愛想振りまいても減るもんじゃないだろ、思いつつ、フォローするように私がニコニコしながらおばあさんと会話。孫らしき少年も全く話さない。
 私が中学生か高校生くらいの頃、珍しく祖母と妹と3人で外出した際、「ソフトクリームでも食べるか?」と言われ、北三条駅前のキヨスク横の軽食の店(名前失念。ワイドポーチだっけ?)に入った。特に話題も無く、ただ黙々と食べた。祖母がソフトクリームを食べてる姿をあまり見たことが無かったから、あのときの姿は今でも脳裏に焼きついている。
 飲み終わったら躊躇わずさっさと店を出て行くおばあさんと少年の飲んでたクリームソーダは、あのときのソフトクリームなんだろうな。