シティボーイズ ミックス「そこで黄金のキッス」

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 拘束の多い生活の中で唯一チケットをとっているこの公演に、今年もいろんな問題をクリアして行かせてもらった。大阪で見るのは二回目だ。
 今年はあえて危ないネタをいれている感じだった。グダグダしたところも年齢とともに毎年強まっている。でも、私はもうこれを見せてもらえるだけでいいんです、という感想になってしまう。好き嫌いで言ったら今回の美術と音楽はあまり好きでないし、そんなにわざわざ危なくなくても私はいいんだけどなと思ったけれど、でも最後まで飽きずに疲れずに笑わせてもらった。そして、真っ赤な衣装を見て、ああ、大竹まことも還暦かあ、としみじみ。
 私は3人でやった「夏への無意識」がかなり好きだったのだが、あれは1999年の公演だ。「夏への無意識」には中年オヤジとしてのシティボーイズライブの自然な姿を見た気がしたけど、あれからもう10年になる。シティボーイズは「オヤジ」を終えて「じじい」になった。じじいとしてのシティボーイズのこうあってほしい姿がまだよくわからないけれど。
 アンケートに「スピード感がない」とあったらしく、「おれたちに何を求めているんだ!」と大竹まことが言っていたが、そりゃ確かに若いころからしたら全然スピード感もないしぐだぐだしているけれど、普通に経年変化した演者の身の丈に合った動きなんだから、それはそれでいいんじゃないだろうか。そういう演者が作り上げる現在のコントが、今新しく見れるシティボーイズのコントで、過去のコントと比較してもあまり意味がないし。(というより、見る方(私)も老化に伴い、古いやつかなり忘れてる。今回のパンフレットに掲載されていた脚本のラジカセマンも、読むまで全然思いだせなかった。) 
 森光子がでんぐり返しを封印したように、無理しなきゃいけないものを封印して来年も一年老化した感じの公演をしてくれれば、私も一年老化してなんとか行こう。ただ全員がそんな客ばかりでなれ合いの老人会みたいにならないといいけど。
 30周年記念のTシャツが品切れで予約を受け付けていたが、その場では別に高いし、いらない、と思って申込をしなかった。でも、"C.B.1979-" って書いてあるTシャツ、と家に帰ってからある種の記号化をして考えると、ああ、買っといてもよかったな、と、思った。