髪のびた

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 10月になった。あっという間だ。早いなあ。
 去年の11月に頭の手術をした。別件の体調不良でMRIを撮ったら、髄膜腫というものが見つかって、脳外科に回され、「手術で取るしかないですね」ということになった。
 詳細はとりあえずおいておくとして、その際、右頭頂部の髪を剃った。他は肩までの長さなので、いわば落ち武者のような状態だ。
 その後は、髪が固いのか頭頂部だけどんどん上へ伸びていき、そこだけ短く立っている前衛的な髪形になっていった。もちろん帽子(ワッチ)をかぶり続けていたが。
 手術から半年、今年の5月にはそこそこの長さになり、何とか横に倒れてくれたので、全体的に短くして帽子を脱いだ。 「常に帽子をかぶったロングヘアおばさん」から「レンホウより若干長いショートカットおばさん」へ。
 急にショートカットおばさんになったので、久しぶりに会った人に「髪切った?」と言われた。
 でも、私としては「髪伸びた」なんだけどね、と心で思っていた。
 今はもうちゃんとした長さの普通のショートカットおばさん。去年、落ち武者の頭をさすりながら、来年の今頃には髪の毛あるんだろうなあ、と思い描いていた未来だ。