シティボーイズミックス2013

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昨日はシティボーイズミックスPRESENTS「西瓜割の棒、あなたたちの春に、桜の下ではじめる準備を」を観に行ってきた。

私がラジカル・ガジベリビンバ・システムを初めて見たのは大学生の時で、それからもう27年にもなる。ラフォーレに出かけて行って食い入るように見ていたあの頃をつい昨日のよう、とはいわないけれど、映像として鮮明に思い出す。狭い会場ですぐ近くで繰り広げられるそれまで見たことのなかったとにかく面白いコント、だけどそれ以上のもの。練り上げられていて洗練されていて、夢のように楽しい特別な空間。あの頃から私は可能な限りシティボーイズのライブは行きつづけてきた。関西に引っ越してからも何とか調整して大阪公演に足を運んできた。

今回は宮沢章夫さんの作演出。そして、中村ゆうじ、いとうせいこうというラジカルを思い出す顔ぶれ。そういう意味では特別な公演。今回はなにがあっても行こうと思っていた。
例によって人の意識が混ざり込んでくるのがいやなので、事前に全く検索せず、事後にも全く人の感想は見ていない。

率直な感想を言うともちろんとても面白かったのだけれど、ちょっとした違和感もあった。シティボーイズが既に白髪の老人で、ここ10年ほどかけてそのだらしなさに愛情とともにゆっくり慣れてきていた為だろうか。クールに作り上げられている舞台がしっくりこなかったのかもしれない。
でもスーツの大竹まことの醸し出す凛とした空気は迫力があった。ある種の年寄りが5人、スーツを着て歩いているだけでも絵になるものだ。シンプルな舞台に映し出されるモノクロームの映像も本当に美しかった。
コントとして大笑いしたから、という理由ではなくて、あの舞台をもう一度見たい。そんなふうには思った。雰囲気や映像が脳裏に焼きつく舞台だったことは間違いない。

ラフォーレのときよりその舞台は遠く、距離を感じた。いろんな意味で昔とは違った。でもラフォーレで見たいろんなシーンを鮮明に覚えているように、今回の舞台の幾つかのシーンも決して忘れないだろうと思う。

また、大阪に来て下さい。