概念とカルマ

 上の子が珍しく昼間家にいたので、TVガイドperson Vol.98の加藤さんのインタビューを渡した。

 私は加藤さんの2012年のspoon.のインタビューが「アイドルはフィルタ」という言葉が印象的で思い入れがあったのだけれど、これがそれを超えてきたので、誰かと共有したかったのだ。特に、WORLDISTA発売関係の心情や、「NEWSはもはや概念だね」と昔のドラマのプロデューサーに言われたという部分、そして、STORYという言葉について「業が深いですよね。カルマだよ(笑)」と語っている部分などを読んで欲しかった。

「NEWSは概念、そう思えば確かに受け入れられるかも」

 読み終わって娘はそう言った。解釈はそのプロデューサー、加藤さん、私、娘と、全員違っているのかもしれないけれど、「NEWSは概念」という言葉はなぜか私の気持ちも楽にしてくれる。

 これは私の都合の良い解釈だけど、あくまで「概念」で抽象的な存在なのだとすれば、NEWSは人数や構成メンバーといったものを超えて存在することになる。その時々に、目に見える形のNEWSがパフォーマンスで楽しませてくれてきた。今は3人だけど、本質が概念なのであれば何人の時代だって否定されることはない。私が4人の時代を今後ずっと大切に思っていても問題はない。そう感じるからほっとするんだろうか。

 その概念というものを自分なりの言葉で描写すると何になるのかぼんやり考えてみたのだけれど、私の語彙の範囲で思いつく言葉を書き留めて「NEWSっぽさ」を表現しようとしても、なんだかこんな簡単じゃないな、とか思ってしまう。「人生」「乗越えること」「再生」「変化」...そうやって選んで書いてみても、どれもが陳腐に見える。結局加藤さんのいう「とんでもなくエモーショナルなものを背負って生きていくことの概念化」を超える表現を私は持ち合わせていない。

 STORYについて「業が深いですよね。カルマだよ(笑)」と語るのを読みながら、STORYが「物語は、ファンタジーから圧倒的リアルへ。」と銘打ったテーマだったことを思い返していた。本来リアルといってもアイドルという一種のフィクションが提供する物語のはずだったのに、「圧倒的リアル」という言葉の持つ恐ろしく強い力が、「真のリアルって、これだろ」と、見せつけてきたかのような展開だったから。

 インタビューは「アイドルは物語」「一人一人が背負ってきたものが共感を呼ぶし、人の心を震わせる」「どういう形であれ、逃げずに戦う姿勢こそアイドルでありNEWS」というような内容で締められていた。3人になってから「守る」という言葉を見すぎて不安な気持ちがあったのだけれど、このインタビューを読んで解消した。私は、これからも戦う彼らを見ていきたい。


「STORYは9人全員の映像を使って欲しい」

 娘は読んだ後、そんなことも言っていた。確かに、4部作を完結させるというものではなく、NEWSというSTORYを3人がこれから綴っていくというコンセプトで、公式に全ての過去が肯定されたら、いろんな思いが昇華されそうな気がするね。
 楽しそうに過去のメンバーの思い出を語る3人を見れる日が来るといいなあ。