手越くん退所後雑記2ー妹とのLINE

先日久しぶりに妹からLINEが来た。妹は関ジャニの大倉くんのファンで、私の娘たちが手越くんのファンであることを知っている。

そうなるだろうな、とは思ったけど、やっぱり手越くんの話を振られた。
私は、手越くんがいなければ4人時代は成立しなかったし、今の3人のNEWSがあるのも手越くんのおかげだと思っているから、彼に負の感情がないということや、3人のファンは手越くんを恨んでいたり、4人とも好きな人は両方応援してたり、手越くんだけのファンは事務所を批判してたりと、いろんな人がいて悪口を踏みやすいからネットはあまり見たくないな、と一通り説明した。そして、最近、手越くんのYouTubeを見ながら考えていたことを書いた。

「手越くんを見てると、この人はきれいな混んだプールで順番待ちできる人じゃないな、汚れた水だとしても、自分で泳ぎたくて仕方ない人なんだろうな、と思う」
妹はその例えにピンときていない様子だった。


昔、「混んでいるプールに入っても」という言葉を使ったのは加藤くんだ。検索すると2014年の暮れ、その年にグループの活動をあまりしなかったことを語った時だ。スタッフとも相談して、混んだプールを避けた、といった表現だった。

この言葉を最近思い出していた。雑誌でどのページでも大勢の若い男の子たちが見覚えのあるじゃれあいかたをしていたり、大型歌番組でジャニーズ総勢○組!と煽られているのを見たときなど、その混み具合に息苦しさを感じることがある。私が事務所の様式美に興味がないから、タレントの存在を人口密度としか感じとれないのかもしれないが。


妹が、
「手越くん、早速バラのタトゥー入れたけど、きっと大丈夫だよ」
と茶化しているのか励ましているのかわからないメッセージを送って来たので、
「あれは前からあったよ」
と返信すると、関ジャニの誰かが女装してズコっとすっ転んでいるスタンプがきた。私は続けた。
「前は公にはしてなかったから、あ、もう隠さないんだな、そのままの自分を見せられるようになったんだなって思った。求められるアイドル像と自分との乖離と戦ってたのかもしれないな、とか、思ったかな。」
妹からは関ジャニのスタンプのみが戻ってくる。
「この子が辞めたのは仕方ないな、残念だけど、今まで事務所と合わないだろうにがんばってたな、と思うよ。海外にいろいろ行きすぎて日本人の日常感覚ともずれてる気がするけど、パフォーマンスが良かったから私はオールオッケーだったんだけどね。」


私は、上の子に「手越にも興味を持て」と言われるくらい、NEWS時代の手越君のパーソナリティに関心がなかったように思う。アイドルとして語る彼のポジティブはどこか一本調子で、私の年季の入った歪んだ心に刺さるものがなかった。

事務所のシールドを外された今、彼は、NEWS時代にファンが見なくて済んでいたあれこれが、生々しく露出している。彼にアイドルの夢を見ていた人たちの拒絶反応はそれはもう至る所で目にして、時間と空間を共有したNEWSファンとしては胸が痛むし、ピュアな手越ファンである下の子には、極力私が選別して供給したほうが良いかな、とも思ったりもする。

でも、私自身は今の手越くんを見ることで、これまでの彼に対する違和感が解消されている面もある。少しレトロな昭和のジェンダー観を持ち、スーパーポジティブで嘘がつけないというなかなか厄介な正義が行動を支配し、自分の戦略で攻め込みたくて仕方がない、そんな少し変わった「人間」なんだと思うと、腑におちることがある。あれだけアイドルとして恵まれた容姿と歌の実力を持ちながら、生身の彼は、事務所が提供したいキラキラした男性アイドルによる徹底的な虚構や、露出を制限して価値を高める戦略とは相いれない人のように思う。

手越くん初心者の私ですらそんなふうに思うのだから、その生身の彼を少年時代からずっと見ている3人に対し、事務所検閲済の「手越くんとメンバーとその関係性」しか知らないファンが、メンバーのお気持ち察する的な同情をして手越くんを攻撃する理由にしているのを見ると、なんだかな、と思ったりもする。

私はせいぜい、社員4人のベンチャー企業でお互いの実力を認め合ってギリギリの人数で運営していたのに、主戦力1人が退社してしまい、後の3人がどう回して行くかを日々考え続けないとならない状況を想像し、彼らの立場を自分に置き換えてみるくらいだ。やることが多すぎて、退社した人への感情などは後回しになることが容易に想像できる。感傷的になってる余裕はあるか?戦場で生き抜くのに精一杯だ。きっと私なら。


ちなみに私は、NEWSにも、手越くんにも成功してほしいと思っている。今後もNEWS関連はライフワークとして全てお金を払って楽しませてもらうつもりだし、手越くんはしばらくその前例のなさにハラハラするだろうけど、出来る限りの応援はするつもりだ。
2年前、私は悪口を見たくなくて小山くんのファンばかり観察していたけれど、今は同様に悪口を言わない手越くんのファンを眺めるのが一番安全なので、しばらくはそうやって見守り体勢で過ごそうと思っている。
手越くんには何回転んでも立ち上がって最終的には大富豪になって貰いたい。NEWSの元メンバーが日本経済を支えてたら嬉しいからね。

ところで。

旧手越担だった上の子が今どんな気持ちなのかはよく知らない。だから、上の子が手越くんのインスタにいいね、をしているとなんだか少しホッとしたりもする。でも、ここ数日テスト勉強をしているからかいいねもしていないし、気になって明日発売のフォトエッセイ買うかと聞いてみたのだが、
「写真がきしょい。ママ買っといて」
とあっさり言われたのだった。

寂しい。