ブルボン菓子

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 ブルボン、ブルボン北日本食品。

 私が生まれた新潟県三条市は昔から朝市があって、そこでは、野菜や果物、お菓子、衣類等、いろんなものが売られていた。
 子供の頃、祖母が私に与えるお菓子はほとんどがこの朝市で購入されたものだった。朝市でもちろん普通のお菓子も売っていたんだと思うが、私の祖母が買ってくるのは製品ではなくて、製造過程で壊れてしまった「難あり」のお菓子の大袋だった。
 よく食べたのが「三幸製菓」(いっこでもにこにこさんこうのーあられおせんべい)の「雪の宿」の破片。それとともによく食べたのが、ブルボン北日本食品のお菓子(ルーベラ、ルマンド、ホワイトロリータ等)の破片である。
 その中でも、特に楽しみにしていたのが「チョコリエール」の破片であった。私はチョコレートが好きだったが、祖母の出すお菓子できちんとチョコが食べられるのが、チョコリエールだけだった。
 しかし、チョコリエールというお菓子、ご存知ない方のために説明すると、製品版の正しい姿は、長さ10センチ幅一センチくらいのビスケットの上部内側の溝に細長くチョコが流し込まれているものである。
 祖母に与えられる破片菓子は、そのチョコリエールの端ばかりで、多くがチョコレート部に至らない。しかし、2分の1くらいのしっかりした破片などもある。そういうものを見つけたときなどはとても嬉しかった。結局選りすぐって食べてしまうので、最後には、ビスケットのかけらのみが残るのだが。

 その頃の記憶は未だに私に影響していて、チョコリエールはお菓子の中で特別な位置付けである。
 何しろ、売られているものは、2分の1どころではない。全部ある。しかも2枚ずつで包装までしてある。確実に、チョコ部を食べられる。
 製品版チョコリエール=かなり贅沢、である。