中村ゆうじとその他の面々、featuring 南麻衣子/グッドモーニング

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 BH、という雑誌があった。ビックリハウスの姉妹誌として創刊され、あえなく4号くらいで終わった雑誌だ。
 それが創刊されたのは1984年、私が大学入りたての時である。もともと応募するのが好きだったこと、丁度資格があったことから、私は「女子大生レポーター募集」に作文を書いて応募した。そして、採用され取材することになったのが、中村ゆうじと、「グッドモーニング」という番組だった。
 この番組はテレビ朝日の深夜番組だった。同じ時間枠に、「トライアングルブルー」だの、「ウソップランド」だの、「ミントタイム」だのがあったように記憶している。(もちろんタモリ倶楽部もあった)
 「グッドモーニング」。日本で一番早く始まるモーニングショー、である。当然だ。まだ深夜だ。
 この番組は、「オナッターズ」というアイドルグループ(と呼んでいいのか?)を生んだことで有名である。また、水島裕子がやっていた「てんぱいぽんちん体操」もある意味有名である。台本通りといった感じの安くて薄いとても馬鹿馬鹿しい深夜らしいバラエティだった。今から思うとこの番組、中村ゆうじ(現 中村有志)、大島智子、小川菜摘など、なかなかの顔ぶれが出演していた。
 しかし、私は取材の話があるまで「グッドモーニング」がどんな番組かはおろか中村ゆうじさえも全く知らなかった。だから、取材に行く時も、芸能人に会えるというときめきは全く感じなかった。むしろ、編集関係者に会えることの方が嬉しかった。

 まず最初、中村ゆうじの事務所かどこかで、彼のパントマイムのビデオを見た。正直言って、私はパントマイムのコント(とか、腹話術とか)は、たいてい感心するだけで終わる。その時もそうだった。
 そのあと、グッドモーニングのロケに行った。その回は「女子大生」がテーマだった。女子大生ブーム(そんなものがあったのだ)にあやかり、ホステスを女子大生風に教育する、というコントを、どこかのお店を借りて撮っていた。コントに出ていたのは、水島裕子と深野晴美、そして、南麻衣子、である。
 南麻衣子はその番組では水着で天気予報をしたりする「うっふーん」てな感じの仕事を担当していた。大人で色っぽい人である。ロケ中も南麻衣子は非常に大人できちんとした人物、という印象だった。見るからにあほな撮影も、そつなくこなしていた。私は彼女の「大手企業秘書から転身」とか「学生時代は成績優秀な地味な優等生」というプロフィールを聞き愕然とした。まだ、地方から大学入学のために上京してきたばかりで未熟な私は、その「転身」の理由をあれこれ想像した。企業でひどい目にあった?誰かにだまされてこんな仕事をさせられている?スタイルは目が釘漬けになる程立派で髪が綺麗で色っぽくても、あの顔立ちは女優には地味なのではないか?本当に良かったのか?(全く失礼である)
 深野晴美は現場に制服で現れた。(当時ガラスの17才だった)普通っぽいけれども大変かわいらしかった。胸も大きかった。(着衣だが)
 水島裕子は、しもねたのアドリブを注意されていた。(例えば「女子大生のテニスラケットの持ち方」というテーマで、逆さにもって口にくわえようとするとか) ちなみに、その時聞いたプロフィールでは、水島裕子は青山学院短大卒だが、在学中は歯の矯正をしていたので暗かった、とのことである。水島裕子はなんだかスタッフともなれなれしい感じで、「青短出てるなんて信じないぞ!」と思った記憶がある。(いかにも大学一年生の発想)

 中村ゆうじはその日、「どっぷりとお笑いにつかりたくない」と言っていた。そしてまた、苦労をともにしてきた奥さんがいるとも聞いた。16年も前の話だ。

 私はそれ以降、知り合いがTVに出ているみたいな愛着もあってその番組を毎週見るようになった。しかし、私は、ロケで見た3人がオナッターズであるとすっかり信じ込んでいたので、水島裕子があまりにテレビ移りが悪過ぎるなー、とオナッターズの歌のシーンを見ながら気の毒に思った。もちろん、水島裕子でなく小川菜摘だったのだから、しょうがない。でもなんで小川菜摘だったんだろう?