生放送生理中/野沢直子

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 大学入学したての1984年、私は好んでテレビ東京を見ていた。独特の安さと贋物っぽさが何とも言えず私の嗜好にはまっていたからだ。
 その4月、テレビ東京では鳴り物入りで「おもしろプレヌーン」という番組がスタートした。出演者は明石家さんま、所ジョージ、コント赤信号等で、今から思うとテレビ東京の昼番組とは思えないような顔ぶれだった。
 確か水曜日じゃないかと思う。誰がメインだったかは忘れたが、桂三木助(当時柳家小きん?)、野沢直子、大竹まことが出ている日があった。野沢直子はこの番組がデビューだったはずである。
 ある日、何気にこの番組を見ていた時、野沢直子がお客に絡みながら、「今日は機嫌が悪いんだ!女にはそういう日があるんだ」とか「そうだ生理中だ、悪いか」と叫んでいた。横で桂三木助が「きたねーなーお前−」と突っ込みをいれていた。私はなんだか珍しいシーンを見た気がした。生理中だと言っているタレントをそれまで見た事がなかったからだ。
 しかしその翌週、桂三木助が、「先週野沢に問題発言がありまして」と謝罪し、野沢直子も頭を下げていた。具体的には言わなかったが、その前の週で野沢直子が発言したのはその程度だったから、生理中と言ったことを謝罪したに違いない。
 生理中、と公表するのは、問題なのである。だから誰も生理中だと言わないのである。なるほど。
 でも何故なのだ?「きったね−」からか? いいのかそんなこと言って。

 野沢直子は女性のお笑いタレントの中では比較的好感を持っていた。少なくとも彼女が出ているという理由だけで音声を消す、ということは無かったし、アメリカに行く時は少し残念だった。今でも野沢直子がボブと帰ってきた時は、大抵出演番組を見ているように思う。昔より見ていて相当はらはらするけれど、今の所、評価抜きに愛情を持って見ているかもしれない。こんなに寛大なのは、私も年を一緒にとっているからか?